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こんなことありませんか?聴力低下はなかなか自覚できません
最近聞き間違いが多い、声は聞こえていても何を言っているのかわからない、テレビの音が大きいと言われる・・・。自分では気付いていない、大したことないと思っていても、家族や周囲の人から指摘されることはありませんか。聴力低下はなかなか自覚しにくいものですが、年齢を重ねることで誰にでも起こる現象だといわれています。
加齢による聴力低下のイメージ図
「声は聞こえるのに、何を言っているのかわからない」という現象や聞き間違いは、「あ、い、う、え、お」といった周波数の低い母音に比べ、周波数の高い子音を聴き取りにくくなっていることから起きるといわれています。
こんな聞き間違いありませんか?
- さとう(佐藤)さん→かとう(加藤)さん
- ひろい(広い)→しろい(白い)
- わらう(笑う)→あらう(洗う)
- いし(石)→にし(西)
- さかな(魚)→たかな(高菜)
- すし(寿司)→うし(牛)
聞こえにくくなるってどういうこと? 聴力が低下する仕組みを知りましょう
音は耳介から外耳道に入り、その奥の鼓膜を振動させ、ツチ骨・キヌタ骨・アブミ骨を通して蝸牛に達します。蝸牛の内部には音の強弱や高低を分析し電気信号に変える有毛細胞が並んでいます。そして有毛細胞の分析結果は聴神経を通して脳に伝達され、そこで音として認識されるのです。聴力の低下はこうした耳の各部分がその役割を充分に果たせなくなった時に起こります。
主な難聴の種類
ご存知ですか?難聴と認知症の関連性
超高齢化社会を迎えた日本では現在、高齢者の約4人に1人が認知症またはその予備軍とされています。そこで政府では2015年1月、「認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)」を策定し、国をあげての取り組みが始まりました。その中で、認知症の危険因子として加齢、遺伝性のもの、高血圧、糖尿病、喫煙とともに「難聴」が加わりました。
最近のアメリカの報告で認知症のない難聴の人639人を対象に11年後に再調査したところ、58人に認知症が見られ、より難聴の度合いが高い人ほど認知症になるリスクが高いという結果に。
出典:Lin et al.(2011),Compared with normal hearing. increased risk of dementia