この記事は下記より転載しています。
「聞こえ」の状態を確認する
一言で「聞こえにくい」と言っても、その状況は実は様々です。小さな音が聞き取りにくい、音の高低によって聞き取りにくい、音としては聞こえるが言葉として聞き取れない、人工音が聞き取れないなどの状況を細かく調べ、どんな時にどんなふうに困っているか、周囲の方に何か指摘されていないか、さらには、生活スタイルや趣味や運動についても伺い、総合的に判断します。遮音室や測定機器などの設備の力と人の判断力で、「あなたの聞こえ」をしっかりと把握します。
「聞こえ」に関する確認事項
- 音の大小による聞こえの測定
- 音の高低による聞こえの測定
- 言葉の聞き取りテスト
- 日常生活におけるお困りごと
補聴器の性能を選ぶ
補聴器は近年、大きな進歩を遂げました。搭載したICチップが音をデジタル処理し、騒音を抑えたり、音をより明瞭にしたりすることが可能になりました。それはテレビ画面が高画質化してくのと似ています。使う環境や生活習慣、聴力の状態を踏まえ、またご予算を伺って、どの性能が必要かを見極めた上で、あなたにぴったりのタイプを選んでお勧めします。
補聴器の調整・適合とは
技術革新によって、補聴器は、ただ音を大きく増幅させるだけの器機ではなくなりました。現代の補聴器は、一人ひとりの聞こえに合わせて、聞こえにくい部分の音を補うように調整することができます。ただし、単純に聞こえにくい部分の音を大きくすればよいと言うものではなく、最初は出力を弱く設定し、慣らしながら少しずつレベルを上げていくという過程も必要です。技術者の力の見せどころでもあります。
補聴器の形を選ぶ
形を大きく分けると、外から見えにくい「耳あな型」と、ハイパワーの「耳かけ型」の二つがありますが、現在は、それぞれに多彩なデザインや特徴を持つモデルが登場し、バリエーションは拡大中。最近はワイヤレスシステムも注目を集めています。装着感、デザイン性も大切ですが、聞こえに合わせた特性で選ぶことが重要です。また、聞こえの程度や耳垢のタイプなどで使えないものもあるので、まずはご相談ください。
補聴器のタイプ
耳あな型 ミニCIC
従来のCICよりもさらに小さなタイプ。外からほとんど見えません。特に目立ちにくさを重視される方におすすめです。
耳あな型 CIC
極小サイズなので外から見えにくく、電話、帽子などの使用時におすすめです。また、聞こえがより自然になり、風切り音や装用時の違和感も軽減することができます。
耳あな型 カナル
種類も豊富で適応範囲の広いタイプ。小さくあまり目立たず、安定感もあり、CICより操作しやすいのが特徴です。
耳かけ型 RIC/RITE
耳かけ型の中で1番小さいタイプ。音を出すレシーバーが補聴器本体ではなく、ワイヤーの先端に配置されています。先端のレシーバーを変えることで、幅広い聴力レベルに対応できるものもあります。
耳かけ型
広範囲の聴力レベルに適応しており、操作がしやすいうえに、種類が豊富です。ケースカラーも取り揃えていますので、独自の補聴器にアレンジすることができます。
耳かけ型(ハイパワー)
ハイパワーの補聴器なので、高度や重度難聴の方にも適応しています。ケースカラーも取り揃えていますので、多彩なアレンジを楽しめます。
マイク分離型
補聴器本体からマイクを分離したタイプ。マイクを耳介の溝に配置することで、耳本来の音を集める効果を活かします。
まずは耳鼻咽喉科医にご相談ください
聞こえにくいと思ったら、まずは耳鼻咽喉科を受診して、病気や外傷、耳の状態を専門医に診察してもらいましょう。補聴器が必要、あるいは補聴器で聞こえの改善が望めると、医師が補聴器を勧めたときは早めに認定補聴器技能者のいる専門店にご相談ください。